終わりのクロニクル③下 著…川上稔/電撃文庫
続いて下巻。
更に厚い。これでも電撃文庫の中では2番目らしい。そろそろ定価1000円越えも有り得るか?
①上から換算して7冊目になるのだが、ここに来て①上が伏線だったりするので侮れない。
新刊出る度に、通しで読み返してるのだが、見落としてることもあるので油断できない。
…まぁそれが楽しくて読み返しも行うのだが。
巻を重ねる度に主人公の発言がアレかつナニになったり主人公遺伝詞がどんどん失われていくのだが、気にならないぐらいに各巻のゲストの描写が良い。
パターン化している箇所もあるが、何度繰り返されても新鮮に感じる。
毎回、表現の切り口が違うという所が大きいが。
内面に苦悩(運命等)を持ちつつも現状に満足(諦観)→複数の突発的事象(狂言回しとかトリックスターの存在)→周囲の助言(協力)により自己判断(決意)→実行→基本的にはハッピーエンド
上記の様なパターンが氏の作品の基本的な流れと思う。
重要なのは決意に至る部分で、そこまでの流れを時には冗長までに描写していること。
ここがはっきりしているからこそ、実行時における主役の考えがよく解るし、移入できる。
移入できるからこそ、爽快感を感じるのではないかと。
…余計なことを書いてるかも知れないな。
閑話休題。
都市シリーズも含めて最高の重騎(武神)戦闘の描写だったと思う。
巴里の戦闘も捨て難いが。
口絵のネタは毎回良くネタ出しできるなと思う。「Konjo-shooter」のネーミングは受けた。
HGを「えっちグレード」呼ばわりもバ○ダイに喧嘩売っててなお良し。
「軍」の存在も徐々にオープンになってきたこともあり、謎(伏線)は深まるばかりだが、それが楽しみなので、深読みしながら次回作を待つことにします。
今回かなり受けたのは「侍女式十八連重力加速銃」。
理屈は一応納得出来るのだが、絵が想像できない。
分離合体且つ自律歩行可能で全天候な上、速射・威力重視変更可能更に弾が日用品な要塞砲…
スゲエ。
まぁ、マスドライバーも良く似た発想か。
…なんのかんの言いつつも、今回のヒロインがモロ好みだったという落ちで。